全国的に普及が進む電動キックボードについて理解を深めてもらおうと、香川大学とあいおいニッセイ同和損保高松支店は23日、高松市浜ノ町の高松オルネでVR(仮想現実)機器を使った体験会を開いた。
運転体験は、VRの映像が映し出されるゴーグルを着けて実施。キックボードを操作したり、顔を動かしたりするとそれに合わせて映像が動くため、より現実に近い運転を体験できる。
停車中のトラックの陰から歩行者が歩いてきたり、横断歩道のないところをいきなり歩行者が横断しようとしたり。体験会では、電動キックボードを運転する際に気をつけるべきポイントを再現したコースを走り、速度や急ブレーキの回数などをもとに運転に点数がつけられた。
この日、丸亀市から家族で訪れた主婦の高崎祥子さん(43)は「できるだろうと思っていたけど、実際にやってみると想像よりも早くから動かないと危険を回避できなかった」と話した。
企画を担当する香川大特命助教の臼杵琴さんは「電動キックボードの認知度は上がっているが、車道の左端を通行したり、二段階右折をしたりというルールはまだ知られていない」と指摘し、「体験会を通じて電動キックボードの特性や注意点を知ってもらいたい」と話した。今後も同様の体験会を開催予定だという。
香川県警によると、電動キックボードが免許不要で運転できるようになった2023年の道路交通法改正後、県内で電動キックボードの人身事故は起きていないが、通行区分違反が3件あったという。